VR環境には、非常に高性能なパソコンが必要。
とはいえ、4Kゲームほど難易度は高くないと感じました。
PCゲームが日常な我々にとっては、
そこまで投資も必要ないんじゃないかな。
VR体験に必要なパソコンスペック調べました。
VR HMDの推奨スペック
VR端末の3代巨頭といえば、HTC Vive ProとOculus Rift SとValve Index。
VR動作に必要なPCスペック、比較してみる。
VR HMD 推奨スペック比較
Vive Cosmos Elite | Vive Pro | Oculus Rift S | Valve Index | |
---|---|---|---|---|
GPU (グラボ) |
NVIDIA GTX 1060 / AMD Radeon RX 480 以上 NVIDIA GTX 970 / AMD Radeon R9 290 以上 |
NVIDIA GeForce GTX 1070 以上 | ||
CPU | Intel Core i5-4590 AMD FX 8350 以上 |
Intel Core i5-4590 AMD Ryzen5 1500X 以上 |
クアッド・コア 以上 | |
メモリ | 8GB 以上 | |||
ビデオ出力 | DisplayPort1.2 以上 | |||
USBポート | USB3.0以降×1 |
VIVEもOculusもValve、推奨スペックはほぼ一緒。
クアッドコアでメモリが8GB以上、
グラフィックボードは、GTX1060~GTX1070あたりでOK。
HTC VIVE 推奨のグラフィックカード
- NVIDIA™ GeForce RTX 3090 | 3080 | 3070
- NVIDIA™ GeForce RTX 2080 Ti | 2080 Super | 2080 | 2070 Super | 2070 | 2060 Super | 2060
- NVIDIA™ GeForce GTX 1660Ti | 1660 | 1660 Super
- NVIDIA™ GeForce GTX 1080Ti | 1080 | 1070 | 1070Ti | 1060
- NVIDIA™ GeForce GTX 980Ti | 980 | 970
- NVIDIA™ Quadro RTX 8000 | 6000 | 5000 | 4000
- NVIDIA™ Quadro P6000 | P5000 | P4000
- NVIDIA™ Quadro M6000 | M5000
- NVIDIA™ Quadro Mobile RTX 6000 | RTX 5000 | RTX 4000 | RTX 3000
- NVIDIA™ Quadro Mobile P5200 | P5000 | P4200 | P3200
- NVIDIA™ Quadro M5000 | M5500 | M5000 | K6000
- NVIDIA™ Quadro Mobile M5500
- NVIDIA™ Quadro GP100 | GV100
- AMD Radeon™ VII
- AMD Radeon™ RX 6900 | 6800 XT | 6800
- AMD Radeon™ RX 5700 XT | 5700 | 5600 XT | 5600 | 5500 XT | 5500
- AMD Radeon™ RX Vega 64 | Vega 56
- AMD Radeon™ RX 590 | 580 | 570 | 480
- AMD Radeon™ R9 Fury | Fury X
- AMD Radeon™ R9 Nano
- AMD Radeon™ R9 390 | 390X
- AMD Radeon™ R9 290 | 290X | 295X2
- AMD Radeon™ Pro WX 9100 | 8200 | 7100
- AMD Radeon™ Vega Frontier Edition
- AMD Radeon™ Pro Duo | SSG
- AMD Radeon™ FirePro W9100
VRでのグラフィックボードの要求スペックは、意外と低めで、
これは2016年の初期モデルからほぼ変わってません。
VIVE Proも推奨スペックはHTC VIVEと変わらずでしたから。
→HTC VIVE Pro、Pro Eye、Cosmos、Cosmos Eliteの違い。HTC製VR HMDのデメリット。
ただ、Oculus Riftは、Oculus Rift Sからインサイドアウト方式へ。
外部トラッキングが不要となったので、
ベースステーション設置の手間が無くなってます。
→Meta Quest 3、Quest 2、Quest Proの比較。メタ社VRデバイスの進化と違い、買うべきモデル。
最新のOculus Quest 2は、PC接続(Oculus Link)でPCVRとして使えますが、
Oculus Rift Sと同等のPCスペック必要になります。
→Oculus Quest 2をPC用VR(Oculus Rift)として使う方法。Oculus Linkでできること。
スペックではイケるけど、動かすまでは分からないのがPCゲーム。
というわけで、実際に手持ちグラフィックボードで、
VRベンチマーク数値を計測してみます。
VRベンチマークの実測値
RTX2080のVRベンチマーク
ベンチマーク測定するのは、SteamのSteamVR Performance Test。
→PCゲームの為にベンチマークテストをする。オススメのベンチマークソフトまとめ。
我が家のIntel PC(Core i7-6700K)にて測定していきます。
メインPC(フルタワー)のスペック
- OS:Windows 10 Home
- CPU:Intel Core i7-6700K CPU 4GHz(最大4.2GHz、4コア、8スレッド)
- メモリ:Crucial DDR4 2400MT/s 64GB(16GBx4)
- マザーボード:ASUSTeK SABERTOOTH Z170 S
- 電源:Corsair RM650x 80PLUS GOLD
- SSD:Samsung SSD 1TB 850 EVO(Read:540MB/s、Write:520MB/s)
SteamVR Performance Testでは最高評価。
SteamVR パフォーマンステスト結果(RTX2080)
- 平均忠実度:11(非常に高い)
- テストされたフレーム:19217
- 90fps以下のフレーム:0(0%)
- CPUバウンドフレーム:0(0%)
最高評価以上のスペックが測定できないので、
利用したのがVR MARK。RTX2080でスコア9688。
VRカノジョのベンチマークソフトでも計測してみました。
パフォーマンス「ノーマル」にてスコア507798と3つ星評価。
ただ、最高品質「ハイクオリティ」ではスコア127526。一つ星でした。
GTX1080のVRベンチマーク
続いて、GTX1080に差し替えてVRベンチマーク計測。
こちらも、最高のパフォーマンス結果「VR レディ」が出ました。
SteamVR パフォーマンステスト結果(GTX1080)
- 平均忠実度:11(非常に高い)
- テストされたフレーム:15845
- 90fps以下のフレーム:0(0%)
- CPUバウンドフレーム:0(0%)
忠実度グラフも常にMAX。グラフのブレも有りません。
平均忠実度も最高値の11・・・
VR MARKでも計測しましたがスコア9446と、こちらもRTX2080のスコアと大差無し。
VRカノジョでも「ノーマル」にてスコア508064と変わらず。
「ハイクオリティ」でもスコア127624。
別のPC(AMD Ryzen)でも試して見ましたが、
スコアは大して変化せず。
一般向けVRゲームでは、GTX1080とRTX2080で、
ベンチマークスペック変わらないという印象です。
GTX980TiのVRベンチマーク
続いて、GTX980TiにてVRベンチマークを測定。
サブPCなんで、微妙にスペックも異なりますけど。
GTX980Ti検証したPCスペック
- OS:Windows 10
- マザボ:ASUSTeK H97-PRO
- GPU:NVIDIA GeForce GTX 980Ti
- CPU:Intel Core i7-4771 CPU 3.5GHz(8コア)
- メモリ:CORSAIR VENGEANCE PRONEW 32GB(8GBx4)
腐ってもGTX980Tiという事で、これまた最高の数値。
SteamVR パフォーマンステスト結果(GTX980Ti)
- 平均忠実度:11(非常に高い)
- テストされたフレーム:12936
- 90fps以下のフレーム:0(0%)
- CPUバウンドフレーム:0(0%)
忠実度のグラフはRTX2080やGTX1080と一緒。
常に非常に高いであり、
平均忠実度の数値も11(非常に高い)と最高値。
VRのグラボでGTX1070を勧める理由が分かった気がする。
GTX980Tiも、GTX1070と大差ないベンチマークのハズだから。
GTX970のVRベンチマーク
余っていたGTX970をMini-ITX PCに差してみたので、
ついでにVRベンチを計測してみました。
Mini-ITXパソコンのスペック
- OS:Windows 10
- マザボ:ASUSTeK LGA1150 Z87I-PRO
- GPU:NVIDIA GeForce GTX 970
- CPU:Intel Core i5-4460 CPU 3.2GHz(4コア)
- メモリ:DDR3 8GB(4GBx2)
CPUは推奨スペックに満たないCore i5-4460、
グラボも推奨要件最低のGTX970で、
十分なパフォーマンス「VR レディ」の結果出ました。
SteamVR パフォーマンステスト結果(GTX970)
- 平均忠実度:6.5(高い)
- テストされたフレーム:9557
- 90fps以下のフレーム:0(0%)
- CPUバウンドフレーム:0(0%)
流石に平均忠実度の数値は11→6.5へと下がったものの、
忠実度は「高い」という、割とVRが快適にできる感じ。
90fps以下のフレームも0%という、予想以上に高い結果でした。
推奨グラフィックボードにも、GTX970と明記されているように、
GTX970以上あれば、とりあえず問題無くVR体験は可能です。
CPUスペックは、多少足らないくらいなら行ける可能性も高い。
CPUスペックって、ゲーム用途ではそれほど重要でも無いから。
→グラボとPC(CPU、メモリ、マザボ)の関係は、どの程度ゲームへ影響するのか?
VRゲームはSLIに未対応
私は、GTX1080のSLIでも検証してみましたが、
GTX1080グラボ1枚で検証した時と、結果は同じ・・・
どうやら、SteamVR Performance Testは、
CrossFireには対応しているらしいが、SLIには未対応・・・
というよりも、VRゲーム自体が、まだまだSLIに対応していない事実。
SLI活用できないから、
グラフィックボード1枚で、高スペックな物を用意した方が良いのです。
現時点で最上級VRを楽しむなら、Titan RTXやRTX2080 Tiで、
水冷×OCするしかないんじゃないかな。
→グラボメーカーが違うと、ベンチマークスコアはどれくらい変わるのか?オーバークロックモデルと比較検証してみた。
とはいえ、そこまでのスペックを求めるVRゲームもほとんど無いので、
RTX2080Tiが必要かといえば微妙。
逆を言えば、GTX1070やGTX1080で、
現行のVRゲームは十分満足に楽しめます。
GTX1080も安くなってますからね。
格安のメーカーで良いと思います。
→グラボメーカーASUS、MSI、ZOTAC、GIGABYTEの違いと選び方。GTX1080でモデル比較して悩んだ結論。
推奨スペックは、あくまで推奨
VRはGTX970やGTX1060以上が推奨スペック。
実際、GTX970で確かに問題も無く動作してます。
しかしながら、GTX1080でプレイした時よりも、
モッサリ感、映像の乱れ、残像感が気になりました。
私の経験上、長くプレイすればするほど、
処理が重くなり、エラーも出やすくなると感じましたので、
余裕をもって、より高スペックなPCが欲しいところ。
VRという全く異なる空間。
処理落ち、FPS値(フレームレート)の低下、
ピンボケは酔う原因にもなるし、
エラー出た時のストレスも、
普通のゲームをやる時よりも大きいです。
没入感も凄いですが、ヘッドセット装着の手間もありますから。
→PC用VRゲーム環境を整えて気付いた、PC接続型VRゴーグルのデメリット
Core i5-4590 3.30GHzが推奨スペックだけど、
Core i5-4460 3.20Ghzで十分という結果。
CPUよりも、グラボの影響の方が大きいのですよね。
→グラボとPC(CPU、メモリ、マザボ)の関係は、どの程度ゲームへ影響するのか?
無理にPCスペックを上げるよりは、
グラフィックボードに投資した方がコスパは良い。
GTX1070は、GTX980Tiと大して変わらないスペックですが、
他のパーツに投資する余裕が有るのであれば、
もうちょい上のグラフィックボード。
最新のRTX3070とか、GTX1080よりもスペック上だし、だいぶ安いからね。
VR手に入れても、やっぱりメインでやるのは液晶ディスプレイでPCゲーム。
ベンチマークスコアはやっぱり違うし、画質ってホント大事だから。
→RTX2080とGTX1080とGTX980TIとGTX970とGTX660で、4Kゲームのベンチマークを比較する。
HTC VIVEからVIVE Proはスッゲー進化していますが、
Vive ProからCosmosは、むしろ劣化してますので気をつけて。
→HTC VIVE Pro、Pro Eye、Cosmos、Cosmos Eliteの違い。HTC製VR HMDのデメリット。
今からPCVRを買うなら、断然Valve Indexだけど・・・
→VR HMD「Valve Index」購入レビュー。HTC VIVE Proと比較したメリット・デメリット。
正直、フルトラッキングしないなら、Oculus Quest 2でも十分。
PC向けVRとしても満足するレベルで使えるから。
→Oculus Quest 2レビュー。PC用VRと比較したメリット、デメリット。
VR対応PCの価格帯
手っ取り早くVR体験をしたいなら、
VR対応PCを購入するのが確実だし、実際のところ格安です。
NVIDIAは、GeForce GTX VR Ready、
AMDは、Radeon VR Ready、
Oculusは、Oculus Ready PC、
Viveは、Vive Ready PC・・・と、
VRスペックを満たすPCは、公式の認定PCとして、
バッジ表示されるようになってます。
Oculus Rift Sが動作すれば、
基本的にHTC Viveも、Valve Indexも動作するという事。
というわけで、VR対応モデルは10万円~15万円で手に入ってしまいます。
ノートPC(ゲーミングノート)でもVR体験する事も可能です。
近未来の世界が現実になりつつあるね。ホント。
コメント
コメント一覧 (1件)
初めまして
VRゲームをするに当たって初めてpcを自作しようと考えています
そこで、VRゲーが出来るpcを自作する際に必要なパーツ(マザボとかクラボとか)を教えて下さい
他のサイトでは基本的な構成しかなく目的毎に適宜追加していくという形の説明で具体的にVR用の構成を紹介しているサイトはありませんでした